訪看ステーションの看護師とPTに「相互理解を」
PT協会、日本訪問看護財団とセミナー初共催
日本理学療法士協会と日本訪問看護財団は15日、「訪問看護ステーションにおける看護師と理学療法士のより良い連携」と題したセミナーを開催した。両団体の共催としては初の試み。それぞれの役員が、相互の「専門性に対する理解」を軸とした連携の在り方について講演し、制度の変遷や国際的な取り組みについて経営的な視点を交えながら紹介した。また在宅の現場からも、看護師と理学療法士の双方から、両者の連携を通じたアセスメントや調整などを経て、在宅療養者の希望を実現した事例などが報告された。
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セミナーには、訪問看護に関心を持つ看護師・准看護師と理学療法士・作業療法士ら111人が参加。いずれも定員を超えて応募があった。
日本理学療法士協会の森本榮常務理事はセミナーの冒頭のあいさつで、2019年現在で1万1,000事業所を超える訪問看護ステーションのうち、理学療法士などのリハビリ専門職が働く事業所は、およそ54%に上ることを説明した。こうした状況から、訪問看護ステーションについて「協会として重要な雇用先として評価している」との認識を示した上で、「連携を重視して質の高い業務をしてもらうことが一番の望み。理学療法士も淘汰の時代に来ている」と述べた。
また、18年度の介護報酬改定では、訪問看護ステーションから理学療法士が看護職員の代わりに訪問して実施するサービスについて、利用者へ説明して同意を得ることが必要になっている。森本常務理事はこうした流れを受けて「理学療法士が何をしているのか、どれだけ他職種に見せているか」と参加者に問い掛けた。
この点に関しては、協会としても理学療法士の問題解決能力を可視化・共有して現場の問題解決能力を向上させる取り組みを進めているところだという。例えば、理学療法士が歩行訓練を実施する際には、筋肉や脳神経などの人体や疾患に関する知識を基に、利用者が生活する地域特性や家屋の状況、さらには歩行能力が歩行能力以外のADLにどのように結び付くかが検討された上で判断がされている。こうした、目には見えにくい専門性がどのように発揮されているかについて、ロジックの体系的な整理を進めていることを紹介した。
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