【医療法人社団浅ノ川金沢脳神経外科病院 事務部経営企画課課長 川腰晃弘】
2016年度診療報酬改定において、おそらく最大の論点であり、かつ急性期医療を担う病院が最も注目したのは、7対1病棟における「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の基準見直しではないだろうか。
厚生労働省の試算では、基準見直しにより実際に影響を受ける病床数は3-5%程度(C項目に「救命等に係る内科的治療」に加わったことで、実際はもう少し低いか)であるとされている一方で、各病院団体や現場の病院からは「25%以上をクリアするのは厳しい」といった声が多く聞こえる。こればかりは少なくとも9月30日の経過措置が終了するまでは、何とも言えないというのが現状だろう。
話を元に戻して、看護必要度の見直しの内容を見ると、C項目に「救命等に係る内科的治療」が加わったとはいえ、依然手術の多い外科系および救急車搬送の多い病院が有利と思われる内容となっている。また、200床未満の病院については、経過措置として23%以上という低い基準が設定されたことからも、大病院と比べ中小病院にとっては、新基準のクリアは難しいのかもしれない。
金沢脳神経外科病院(石川県野々市市)は、220床の地方中小脳神経外科単科専門病院であり、病床・病棟構成は=表=のようになっている。
表 金沢脳神経外科病院の病棟構成
一般的に脳神経外科専門病院では、看護必要度は高いと思われるかもしれない。しかし、当院に限らないかもしれないが、看護必要度の高い脳卒中患者の多くは、まずはSCUに入院する。また当院の場合、SCUの平均在院日数が7日程度と比較的長く、7対1病棟への転床は超急性期を脱した段階で行われることなどから、これまでも7対1病棟における看護必要度はそれほど高くなかったといえる。このことはICUやHCUを持っている中小病院でも同様かもしれない。
次回配信は5月10日5:00を予定しています
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