CBnewsマネジメントの人気連載「データで読み解く病院経営」でおなじみの「メディチュア」の渡辺優代表は8月25日のオンラインセミナー(CBホールディングス主催)で、病床稼働率アップにつながる地域連携について講演した。例えば診療報酬算定のためになりがちな診療情報提供書も、あるポイントを意識し、作成すれば、紹介件数増加のツールとしても活用できる。そのポイントとは連携相手との信頼関係。自院の地域連携部門の組織を「一気通貫型」に変え、担当者が能動的に業務遂行できるよう行動理念を見直すことが信頼づくりに欠かせないと渡辺代表は説く。【川畑悟史】
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例えば、「半期ごとでデータを見ると、Aクリニックからの紹介患者が減り、特に大腸の比率が縮小した」。これを新型コロナウイルス感染症の影響と考えるのか。それとも周辺病院で受け入れ体制に変化があったのかどうかを疑うのか。
こうした際に情報収集を行うのは地域連携部門の担当者だ。情報の精度は、日頃からのコミュニケーションの度合いによって変わってくる。言い換えると、どの程度の信頼関係が、それまでに構築できているかが問われる瞬間だ。渡辺代表は、病院の経営改善の要となる患者数の増加を「地域で信頼された結果」と捉え、さらにその結果が病床利用率の向上につながるとみる。
■信頼のポイントは「敬意」と「配慮」
その信頼を獲得する大きな役割を果たすのが地域連携部門ということになる。信頼される相手は、医療機関と患者・患者家族、救急隊・行政の3者。信頼の中身が、相手によって「敬意」か「配慮」に変わってくる。
セミナー講演資料を基に作成
医療機関からの信頼を得るということでは、「自分たちがしっかりした医療ができているのは、かかりつけ医がしっかりしているため」と連携するクリニックや第三者に、地域連携部門が説明するというやり方を一例として挙げた。
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