連載3回目は、退院支援の現場の対応を考えたい。
武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市、611床)は、地域で高度救急医療を担い、2016年度に9474台の救急車を受け入れた。近年は、緊急入院患者の転院を強化し、在院日数の短縮と新規患者の受け入れを進めてきた。【大戸豊】
■自宅しか行き場のない高齢患者が増加
武蔵野赤十字病院を取り巻く地域でも、独居や老老介護の高齢者が増えている。患者が療養病院への転院を希望しても、医療区分に該当せず断られるケースや、有料老人ホームなどに移りたくても年金の範囲では経済的にも厳しく、自宅以外に選択肢がないケースも多い。
医療連携センターの齋藤恭子副センター長は、「急性期病院が患者をしっかり地域の多職種につなげることが本当に重要になっている」と強調する。
同院では昨年7月に「退院支援加算1」を取得。体制の整備や地域とのつながりを強化する大きな転機になったという。
病棟では、電子カルテにあるスクリーニングツールの使用を徹底し、カンファレンスの記録も改善しながら、退院支援が必要な患者を把握する精度を高めていった。また、病棟の看護師が患者の在宅を見据えた視点を持つようになったという。
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